概要
「数学」の方で、 「式の丸暗記はするな」 「イメージで覚えられるものはイメージで覚えろ」 みたいな事を書きました。 でも、じゃあ、イメージしづらいものの場合はどうでしょう。
例えば、4次元以上の高次元図形なんてイメージできますか? 自分にはイメージできないけども、 高名な数学者の方々は具体的に高次元図形をイメージしているんでしょうか。
実際は、天才・凡才問わず、 人間は見聞きしたことのあるもの以上のものを想像することは出来ないっていいます。 なので、高次元図形を具体的に頭の中に思い浮かべることが出来るっていうような人は、 多分、普段から目に映らないものまで見えちゃっていますね。 (まあ、天才となんとかは紙一重って言いますから、 見えてるのかもしれないですけどね。)
そういうわけで、ここでは、 高次元図形のイメージを使むというのがどういうことなのか考えてみようと思います。
執筆予定
具体的にイメージできないっていっても、類推は出来る。 「頭の中に4次元図形を描ける」とか豪語する人も、 実際には類推でイメージを描いてるんだと思います。 (ここでいう4次元ってのは、 相対性理論に出てくる3次元空間+時間とかでなく、 空間だけで4次元ってことです。) ・性質にだけ注目(抽象化) 高次元でも3次元までと同じ性質が成り立つ部分に関しては、 2次元やら3次元でイメージすればいいわけですよ。 具体的にイメージできるものから出発して、類推して考える。 例 平面上(2次元)では曲線(1次元)が境界に 空間上(3次元)では曲面(2次元)が境界に → 類推でいくと、N 次元図形の境界は N-1 次元図形だろう 現代数学は非常に抽象化されているんですよね。 具体的にイメージできるかどうかなんてさしたる問題ではなくて、 同じ性質が成り立つものをわざわざ分けて考える必要はない。 図形というものも具体的なイメージで考えるんじゃなくて、 図形の満たすべき性質は何なのかということから考える。 実体がなくて想像しづらく感じるかもしれませんが、 これも、実体のあるもので具体的なイメージを持った上で、 類推して実体のないものを考えればいい。 ・具体的にイメージできるものに分解 あと、具体的にイメージできるものに分解して考えるという方法も。 例えば、3次元の図形でも、紙の上に書けないせいで考察しづらいので、 展開図やら投影図を使って2次元化したりします。 これと一緒で、高次元図形も2次元とか3次元に投影したり展開して考えれば 割とイメージ可能。 - 投影 → CT スキャンのような 例えば、 3次元上の曲面 → 球面、円筒、ドーナツ形 を CT スキャンするみたいに輪切りにしてみると、 球 → どの方向からスキャンしても円に 円筒 → ある方向から見ると、円 別のある方向から見ると、2本の平行線 ドーナツ形 → ある方向から見ると、横に並んだ円2つ 別のある方向から見ると、2重丸 N 次元図形も、 N-1 次元に投影 → 出来た図形を N-2 次元に・・・ と繰り返していけば、いずれは2・3次元の投影図になる。 - 展開 → どことどこが、どういう風に繋がってるかだけ見る 球 → 風呂敷の4隅を1点に集めたような。 円筒 → 風呂敷の左右の辺を貼り付ける。 残りの辺はそのまま。 ドーナツ型 → まず、風呂敷の左右の辺を貼り付ける。 出来た円筒の両端を、ひねりとかは加えずに貼り付ける。 ちなみに、 円筒を作るときに、両端をひねってからくっつけるのがメビウスの輪。 ドーナツ形を作るときに、円筒の両端をひねってくっつけたのがクラインの壷。 4次元図形なら、立方体のどの面とどの面を張り合わせれば・・・ みたいなのを繰り返すことで、高次元の図形が得られる。 ・局所化でイメージ 曲がりくねった空間だとイメージしづらいけども、 平坦な空間ならまだイメージしやすいかも(2・3次元図形からの類推がしやすい)。 xy 平面とか、xyz 空間とかの軸が増えただけ。 曲がりくねった空間の場合でも、 例えば、微小な部分だけ取り出してみると、近似的に平坦に扱える。