概要
ひとくちに微分方程式といってもさまざまな形のものがあります。 一般的には、微分方程式は解析的に解を求めることができませんが、 特定のパターンの場合に限り解析解を求めることが出来ます。
微分方程式に関する数学分野の1つに、 微分方程式がどういうパターンの時に、 どういう方法で解析解を計算できるのかというものがあります。
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・まず、具体例を 力学の法則: ma = f 速度抵抗 単振動 中心力: 重力、惑星の運動 放射性原子の崩壊: 原子の個数に比例して崩壊 電気回路 ・解ける常微分方程式 - 変数分離形 - 定数係数線形 - 基礎: 2階で斉次の場合 → 「[2階常微分方程式](/study/math/analysis/diffsecond)」 - 一般論: 「[定数係数線形微分方程式](/study/math/analysis/difflinear)」 - 全微分形 ↑の場合には確実に解けることがわかってる。 これ以外の場合でも、変数変換とかいろいろ式変形をすれば ↑のどれかの形に帰着できるものも多い。 ・級数解法 ・数値解法 解けない場合も多い、というか、方程式の形が複雑になるとまず解けない → コンピュータを使った近似解
もっとも単純な微分方程式について説明しつつ、いくつか用語の説明。
微分方程式の中で最も簡単なものというと、 間違いなく1変数定係数1階線形斉次微分方程式でしょう。 1変数定係数1階線形微斉次分方程式というのは、要するに、
d |
dt |
という形の微分方程式です。 言葉の意味は以下の通りです。
-
1変数 … 名前どおり、独立変数が1つだけ。(tのみ。)
-
1階 … 方程式中に1次微分(
x(t) )までしかでてこない。d dt -
線形 … x(t),
x(t) に関して線形。( x2 とかが出てこない。)d dt -
定係数 … x(t),
x(t) の前に掛かっている係数aが定数。d dt -
斉次 … 0次の項がない。( x(t),
x(t) の項しかない。)d dt
このような微分方程式は、 速度抵抗を受ける物体の運動や、 抵抗とコンデンサのみからなる電気回路(RC回路)の電圧変化などに現れます。
この形の微分方程式は、変数分離系というパターンで解くことができて、 解は以下のようになります。
−a dt =
dx
1 |
x |
−a ∫
dt = ∫
dx
1 |
x |
−a t = logx + C
x = A e−a t
ただし、途中から現れる C, A は積分定数です。