概要
共変ベクトル = 接ベクトルの話を。
接ベクトル
本題の微分形式に入る前に、
先に
に関する話をしましょう。
前節で、共変ベクトル
ai∂ ∂
は接ベクトルとも呼ばれるという話をしました。
ここではその意味について説明します。∂ ∂
は書くのが大変なので、
∂ui
と略記。
添え字が下付きになっていることに注意。∂ ∂
執筆予定
・接ベクトル まず、3次元空間上の曲面で説明 x = (x(s, t), y(s, t), z(s, t)) と表される曲面に対して、 ∂x/∂s と ∂x/∂t はこの曲面の接線の1つになる。 その線形結合 a (∂x/∂s) + b (∂x/∂t) も接平面上のベクトルになる。 なので、いっそのこと、 a(∂/∂s) + b(∂/∂t) という微分演算子を接ベクトルと呼んでしまう。 一般に、N 次元多様体 x を考える場合でも、 座標 u に対して、微分演算子の線形結合 fi(∂/∂ui) を接ベクトルと呼ぶ。 fi は u の関数ね。 x の各点 u に対して1つのベクトル fi が定まる。 位置に関する関数ということで、これを接ベクトル場と呼んだりする。 あるいは、単に「ベクトル場」というと接ベクトル場のこと。 接ベクトル場は、要するに ∂/∂ui を基底とするベクトル空間になるわけだけど、 ∂/∂ui の座標変換規則を考えると、接ベクトル場には fi∂/∂ui = fi(∂vj/∂ui)∂/∂vj という座標変換規則がある。 - ベクトル場と積分曲線 V(u) = Vi(u) (∂/∂ui) を接ベクトル場として、 du/dt = V(u) という微分方程式の解を V の積分曲線という。 この微分方程式の解によって、ベクトル場 V に沿った曲線が描かれる。 運動方程式とか、多くの微分方程式がこの形に帰着される。 v = φ(u) のとき、 du/dt = Vi∂/∂ui の積分曲線を u(t) とすると、 dv/dt = Vi(∂vj/∂ui)∂/∂vj の積分曲線を v(t) で、 v(t) = φ(u(t)) となるものが必ず存在する。