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双1次変換

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微分を差分で近似します。

d
dt
f(t - Δt/2)
1
Δt
( f(t) - f(t - Δt) )

さらに、

d
dt
f(t - Δt/2)

d
dt
f(t - Δt/2)
1
2
(
d
dt
f(t)
d
dt
f(t - Δt) )

と近似し、フーリエ変換すると、

1
2
( 1 + z-1 ) s F(ω)
1
Δt
( 1 - z-1 ) F(ω)

となります。 ただし、s = jω, z = expjωΔt です。 したがって、sz-1 の間には、

s =
2
Δt
1 - z-1
1 + z-1
   ・・・(1)

という近似式が成り立ちます。 この近似式に基づく変換の仕方を双1次変換といいます。 (双1次とは、分母・分子が共に1次であるような有理式のことを指します。)

双1次変換には1つ大きな利点があります。 式(1)は sの1次多項式をz-1の1次有理式に変換しています。 そのため、 f(s)sのn次有理式であるとき、 f(s)を式(1)を使って変換した結果はz-1のn次有理式になります。 すなわち、式(1)の近似方法を使用すれば有理式の次数を変えずにs領域からz領域に変換することができます。

特性

本来、z は、

z = exp s Δt = exp jω Δt

という関係式が成り立つべきですが、双1次変換を用いる(すなわち、式(1)による近似を行う)ことによりどのような影響が出るかを考えてみましょう。

まず、2つの式中の変数を区別するため、以下のように添字aおよびdを付けて式を書き直します。

z = exp sa Δt = expa Δt    ・・・(2)
sd = jωd
2
Δt
1 - z-1
1 + z-1
   ・・・(3)

本来の周波数である ωa をアナログ角周波数と呼び、 双1次変換で近似した周波数 ωd をディジタル角周波数と呼びます。 ωaωd の間の関係式を求めるため、 式(2)を式(3)に代入すると、

d
2
Δt
1 - exp(-jωa Δt)
1 + exp(-jωa Δt)
2
Δt
exp(a Δt/2)exp(-jωa Δt/2)
exp(a Δt/2)exp(-jωa Δt/2)
= j
2
Δt
tan (ωa Δt/2)
ωd
2
Δt
tan (ωa Δt/2)
という関係式が得られます。 tan関数の性質から、 ωaおよびωdの値が小さいうちは ωd ≒ ωa となっていることが分かります。

具体例

1次有理式の場合

H(s)
β0 + β1 s1
α0 + α1 s1

s =
1
tan ωs/2
1 - z-1
1 + z-1

H(z)
b0 + b1 z-1
a0 + a1 z-1

に変換。

今後、記述を簡単にするために、以下のように定数を定める。

t = tan ωs/2
s = sin ωs
c = cos ωs

t と s, c の間には以下の関係あり。

t =
s
1 + c
t2 =
1 - c
1 + c

まず、s に関して、 定数項に t(1 + z-1)、 1次の項に (1 - z-1) を代入。

β0 t(1 + z-1) + β1 (1 - z-1)
α0 t(1 + z-1) + α1 (1 - z-1)

次に、t に関して、 定数項に (1 + c)、 1次の項に s を代入。

β0 s (1 + z-1) + β1 (1 + c) (1 - z-1)
α0 s (1 + z-1) + α1 (1 + c) (1 - z-1)

z を展開することにより、以下の関係式が得られる。

a0 = α0 s + α1 (1 + c)
a1 = α0 s - α1 (1 + c)
b0 = β0 s + β1 (1 + c)
b1 = β0 s - β1 (1 + c)

2次有理式の場合

H(s)
β0 + β1 s1 + β2 s2
α0 + α1 s1 + α2 s2

H(z)
b0 + b1 z-1 + b2 z-2
a0 + a1 z-1 + a2 z-2

に変換。

1次有理式の場合と同様に、s に関して、 定数項に t2(1 + z-1)2、 1次の項に t(1 + z-1)(1 - z-1)、 2次の項に (1 - z-1)2 を代入。

β0 t2(1 + z-1)2 + β1 t(1 + z-1)(1 - z-1) + β2 (1 - z-1)2
α0 t2(1 + z-1)2 + α1 t(1 + z-1)(1 - z-1) + α2 (1 - z-1)2

次に、t に関して、 定数項に (1 + c)、 1次の項に s、 2次の項に (1 - c) を代入。

β0 (1 - c) (1 + z-1)2 + β1 s (1 + z-1)(1 - z-1) + β2 (1 + c) (1 - z-1)2
α0 (1 - c) (1 + z-1)2 + α1 s (1 + z-1)(1 - z-1) + α2 (1 + c) (1 - z-1)2

z を展開することにより、以下の関係式が得られる。

a0 = α0 (1 - c) + α1 s + α2 (1 + c)
a1 = 2 ( α0 (1 - c) - α2 (1 + c) )
a2 = α0 (1 - c) - α1 s + α2 (1 + c)
b0 = β0 (1 - c) + β1 s + β2 (1 + c)
b1 = 2 ( β0 (1 - c) - β2 (1 + c) )
b2 = β0 (1 - c) - β1 s + β2 (1 + c)
Transtation into English

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